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特別刑務所(仮)

第20章 現在。

「じゃあ、家族のためにしたことを後悔して謝ろうと思ったの?」
「うん」
「でも、出さなかったんでしょ?」

俺が聞くとやや間があってから答えた。

「手紙ひとつで謝るのも無いだろうって家族に会いに行ったんだ。そしたらあのぼろ小屋には誰いなかった。」
「え?」
「うん。俺はそのとき愕然としたよ。なんのためにしてきたんだろうって、政府に頼んで家族の居場所を確認してもらってはっきりしたよ。」


握る九条の手が震える。

「俺が家族のためと必死になってたのに、母親の再婚相手が金もちでさ、とっくに裕福な暮らししてたって知って」
「九条、俺何もできないけど・・・」


ぎゅっと九条を抱き締め俺は九条のしたこと許すよと言うと始めて九条の目から涙がこぼれた。

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