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私は官能小説作家の素材

第5章 本心

「はぁっ…バレそうだったのになぜやめてくれないのですか…!」



顔色ひとつも変えずにケイスケは、

「俺の事好き…?」

と、聞いてきた。


本音を言えば、好きっていう答えにはなる。しかし、今の状況で告白できるものか。意気地無しの私にはやはり無理な話。


結局黙りこんでしまった。


「なんだ、つまんないの」


ポツリと呟いた、その言葉は、真菜の心を突き刺したのだった。

いつの間にかあの人たちは用を足したのか、出ていっていた。静寂に包まれるロッカーの中。


「出よ」

ガチャリと開いたドア。

颯爽と出ていく彼についていくことしか出来なかった。



なんて、言えば正解だったのかな…。

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