happy endingは永遠に…
第1章 未来
もう帰るから。
けどもうちょっと待ってくれ。
体が起き上がんねぇの。
「健人。待ってるね」
オゥ。絶対に帰るから。
約束を果たすために絶対に帰るから
「健人。早く会いたいよ」
俺も…。
俺も会いてぇよ。
「健人…健人」
俺を呼ぶ恵美の声が体に響いて、どっからか湧きだしたかわからない力が急に出てきた。
時間をかけてようやく店の外に出た。
モヤモヤと背後に立ち込める暗雲。
黒い怪物が迫っていることも知らずに俺は足をよろめかせて道の真ん中に出た。
その瞬間…
ドンッッ
俺は宙を飛んで車のボンネットに乗り上がりそのまま地面に落下した。
加速するエンジンの音が遠くなる。
その車に見覚えがあった。
またアイツかよ。