テキストサイズ

闇夜に輝く

第15章 営業中のトラブル

今は夜の11時過ぎのニューアクトレス店内。平日にも関わらず客席は満席。
しかも、フロア席に案内できないウエイティング客がカウンター席に2組もいる。
海斗がウエイトの客にサービスビールを運んでいると耳元のインカムから会話が飛んできた。

『…番テーブル、ミリオさん場内』

どこかの席でミリオさんに場内指名が入ったようだ。それを西野さんがインカムで伝えている。
しかし増田店長が苛立ったように聞き返す。

『何番テーブル?何番?』

『…番テーブルです!』

『おい!西野!だから最初が入ってないって!インカムのボタン押してすぐ喋るな!それから2回繰り返せ!バカ野郎!基本だろうが!』

インカム越しに増田さんの怒号が飛ぶ。

『す、すいません』

『だから何番テーブルかって!何番?』

『…番です。18番です』

『18番テーブル、ミリオ場内、ミリオ場内。了解。坂東わかった?』

『はい。了解です、了解』

海斗はインカム越しに聞こえる怒号のやり取りを耳にしつつ、ちらっとフロアを見る。

混み合う店内で、入ったばかりの山田君と秋山さんの新人ボーイ2人が慣れないながらも頑張って動いている。

そんな中、ベテランのはずの西野さんが右往左往し、空いたテーブルを片付けている途中で、ミリオさん場内のコールを18番卓から受けた模様。
そしてそれをインカムで伝えている途中で違う卓の杏奈さんからも呼び止められていた。
しかし、インカムが飛んで来なかったため、何を言われたかは分からない。

今思えばコレが問題だった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ