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闇夜に輝く

第19章 若菜と洋子さん

8月になった。季節は夏真っ盛り。

7月の大盛況からは若干勢いは落ちたものの、相変わらずニューアクトレスは好調をキープ。
海斗も副主任兼ホール長として忙しく働いていた。

先月のニューアクトレスの売り上げは過去最高だった。
系列6店舗中3位だったらしい。それは実は開店以来の快挙。
なぜなら今までの序列は

最高級店のグレイスフル

高級店のフェアリーテイル

中上級店のレッドローズ、ニューアクトレス

中級店のスウィートムーン、マンハッタンロゼ。

それが先月まで常に売り上げで負けていた同じような金額設定のレッドローズをぶっちぎり、高額設定のフェアリーテイルを途中まで抜いていた。しかし最後の最後でフェアリーテイルに逆転された。でもあと僅かのところまで迫った。
まぁグレイスフルには到底及ばなかったが、上位2店は元々の金額設定や、街柄、店の規模が違いすぎる。

ただ、同じ街でしのぎを削るレッドローズに大差を付けたのは大きかった。
ウチの会社が抱える店舗は全体的に比較的高級志向で、激安店は存在しない。よって客単価が評価の対象にもなる。

ニューアクトレスの今後は客数をそのままにしてどうやって客単価を上げられるかが課題となっている。
なので、いかにして一度にたくさんの金額を使ってもらえるか。
それには高くても満足できる空気を作り出すこと。また、これだけ良い店なら多少高くてもしょうがないと思わせることが出来るか。
そうするには設備面、キャストの質、男子スタッフの質が大事になる。
そんな事を日々の増田さん達との会議では話し合われていた。

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