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タケルと恭子の1224

第1章 20:00


「きょ、恭子ちゃん

ちょっと
ちょっとだけ待って

お店でるまで

大丈夫?」



タケルは
自分のマフラーを
恭子にグルグルと
巻き付け

恭子の今にも
泣き崩れそうな
その顔を
半分ほど隠すと


恭子の手を握り
レジへと
向かった


タケルは
焦りながら
カバンから財布を取り出し

恭子のすすり泣く声を
聞きながら
なんとか会計をすませた



店を出ても

しっかりと
恭子の手を握ったまま
寒空の下を
足早に歩き


車の多い
大通りを抜け


細い脇道に入った

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