
齧りかけの林檎
第9章 ● 君のメール ♀side
二日酔いでグッタリしていた後輩が、
「先輩、さっきの運転手みたいなさわやかイケメンとか
好きなタイプなんじゃないですか?
黒髪の男性が好きって、
前に飲み会で言ってませんでしたっけ?」
そんなことを言ってきた。
確かにタイプだった。
でもなぜか今は、
少しオレンジがかった茶色い髪色が
頭から離れなかった。
「そうだね。
かっこいい運転手さんだったね」
やっぱああいうの好きなんすか!と、
さっきまであんなにグッタリしていたくせに
急にテンションを上げて言ってくる後輩くん。
仕事が終わった途端に元気になりやがって、
おまえ今日来た意味あるのか?と思ってしまったが
顔に出ないように気をつけた。
