テキストサイズ

齧りかけの林檎

第2章 ● 真っ赤な君 ♂side




図書館の入り口に

おれの好きな、

からし色みたいな上着を着た人がいる。



その人が急にこっちを向いた。




え!?




彼女だ!




いつもの短い丈のダッフルコート。




ずっと見ていた女の子。



その子がいる。



他には誰もいない。



いつもより少しだけでも早く走りたくて焦った。



だからなのか






コケた。








だいすきな彼女の目の前で、








思いっきりコケた。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ