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神隠しの杜

第2章 緋葉と夕羅

全身がだるい。



自分の意思で思うように体が動かせず、慣れない事をして全身が筋肉痛になったような感じだ。



まだ頭がぼーっとしていてうまく働かない。



その時、話し声が聞こえた。



あの少女と少年の。



「ねぇ緋葉――ヒトなんて、殺してしまいましょう?生かしておく価値なんてこれっぽっちもないわ」

「……」

「緋葉は悪くないもの。悪いのは、ぜーんぶ緋葉を犠牲にしようとしたヒト。咎めるものはぜーんぶ壊しましょう」

「……それはオレが決める事だ。気に入らないのなら――夕羅が、オレを壊せばいいだろう」

「だーめ。緋葉はわたしのものだから。壊すなら、ヒト」



緋葉と夕羅。



どうやらそれが名前らしい。



体を起こすのもままならないでいると、緋葉が歩が目覚めた事に気づき何やら唱える。






「シクカミカ、シクカミカ――巡り巡りて元に還せ」






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