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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

「え、え、今、急に現れた……? ちょっ……なん…うえええっ!?」

「…あのね、ちょっと黙って」



パニクるやんすをつくし先生は一喝する。



「あの……危ないところを助けてくれてありがとうございました」



つくし先生は安心した様子でコスプレ男に話しかけた。
コスプレ男は剣を腰にある鞘に収める。



「いえ、国民を守るのが我々の役目ですから」



──こ、国民?



「それに──」



そう言うと、ずっと背を向けてたコスプレ男はオレの方に振り返った。



「!」



コスプレ男の顔を見て驚く。
なぜなら彼の瞳はエメラルドグリーンだったからだ。



─あの時の、アイツと同じ瞳…



するとコスプレ男は突然、ひざまずいた。
白いマントがふわりとなびく。



「ご無事でなによりです、殿下」



───!?



「お怪我はございませんか?」

「……」



殿下…?
なにいってんだ、コイツ……。



「……殿下」



コスプレ男は少し顔をあげて首を傾げる。



「…あの、ちょっと…助けてくれたのはありがたいけど、オレは殿下じゃねーし」



冗談じゃない。
なんの子芝居だよ……
あんたの趣味に付き合ってられるかっての…。



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