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隣にいるのがあたりまえ

第2章 過剰なスキンシップ

しばらくゲームをしていると、キッチンから聞こえてくる鼻歌。さっきの落ち込みようが嘘みたいだな。

とりあえず、まーくんが元気になってくれて良かった。あの人が苦しんでる姿なんて見たくないから。

・・・俺も昔は何度もまーくんの笑顔に助けられてきた。芸能界なんて理不尽なことだらけで、何に対しても否定的でネガティブな考えが頭から離れなかった。

その度、必ず俺の横に居てくれて、笑ってくれた。泣いて縋れば強く抱きしめてくれた。

『俺には和が必要で、和には俺が必要』

まーくんが言ってくれた言葉。

でも、近くに居すぎた。いつの日か、友情と好きの境目が分からなくなって、それがはっきりした時には遅かったんだ。

自分の気持ちを悟られないように距離を置いた事もあった。でも結局は、俺の方が耐えられなくなって。だから辛くても傍にいるって決めた。

「かずー、朝ごはん出来たよーほらほら!ゲーム置いて食べよ!」

「んふふ、はいはい」

今度は俺がまーくんの力になる。その笑顔を守るよ。

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