まなかなかなかの…
第1章 2014年12月22日(月) 大切な人から卒業してきたよ
まなかも…大切な人を失ってばかり。
光輝は事故で、三つ子ちゃんは交通事故で、りょーは病気で、碧は自分で……。
拓真も一応、交通事故。
飲酒して居眠りまでしてる人の運転する車が、運転席に拓真の親戚、後部席に拓真が乗った車に、後ろから衝突したっていうのが表向き。
でもこの事故には裏があって。
拓真に目を付けた人が、その人とも拓真とも関わりがなかった人を使って起こした事件なんだよね。
これを知っているのはごく一部。
りょーが不良じゃなかったら、知らなかった真相。
でもみんなに明かしてもみんなのためにならないと思ったから…まなかと、りょーと、りょーの兄弟と、拓真の兄弟と、あと今この日記を読んでくれてる人たちだけの秘密。
事件より事故の方が気持ち的に楽でしょう…?
真相を知らないことも、きっと知らない人たちにとっては、辛くて悲しくて苦しいことだと思うけど。
残酷な真相を知って、どうしようもなくなるよりも、ずっと辛くないでしょう…?
別に証拠があるわけではないしね……。
そういう世界に長くいたりょーの特権っていうのかな、顔が利いたからこそ知れたことであって、形に残る証拠はもう何もなかったんだ…。
まなかは今は別にもう誰も恨んでないけどね。
悔しいけど。
悔しくて悔しくて悔しすぎるけど。
拓真に目を付けた人も、その人に頼まれて事故を起こした人も、もう恨んでないよ。
まなかも大人になったから(苦笑)
人それぞれ色んな事情があるんだって、理解できるようになったから…。
いなくなった人の時計の針は止まったままだけど、まなかの時計の針は進み続けてるから……成長したの。
なんでまなかを置いていなくなっちゃったのって思うときもあるし、そのとき誰を何を責めればいいか分からなくなるけどさ。
もう結局一周回って、自分が悪いんだな、悪かったんだなってなるんだよね。
だからただ自分を責めて、いなくなりたくなって、終わるだけ。
単純なまなかは泣いたら全部流れちゃうから、扱うのが簡単なのよ…。(苦笑)