テキストサイズ

複雑な恋のゆくえ【完】

第4章 複雑な恋のゆくえ


横目に見えた、図書館からは見えない体育館裏の死角。
二階の階段の踊り場からは見えた。


そこにはぎゅっと目を瞑る笑の姿、そして。――

二人の距離は今0cmだ。


「あーあ」

隣の葵に聞こえないくらい小さく呟く。
これが恋のキューピットってやつですか。
苦しいよ。


苦い表情の私を見て、葵は、呆れたように、……切なそうに、私の頭をくしゃりと撫でた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ