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初恋。

第4章    秋         


春に連れられるけど、ずっとさっきから無言が続いている。


「夏。僕ね。夏とこういうことできてうれしいんだ。」

沈黙を先に破ったのは春だった。


「夏とさー。お祭り毎年いってるじゃん?あれもホントに大好きなんだよね。」


お祭り……夏祭りのことだろう。

俺も凄く好きだ。春と一緒に回れるから。


「僕さ。来年いなくなるからさ……今を楽しみたいんだ。夏と。」



来年いなくなる……


俺にとって一番嫌な言葉。


いなくなるなんて言わないでほしい…


嘘だって…ドッキリだって言ってほしいけど。


もう、カウントダウンが始まっているということを



次の春の言葉で思うことになる。




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