What is love?
第1章 私の軌跡が、奇跡を起こした
「…く。雫!先生に怒られるわよ!」
隣の涼ちゃんが肘で私の体をつつく。
『…ん、あともう少し眠らせて…』
「ちょ…大学で寝ないでよ。しかも今
先生がドライブラシやってるのに!」
涼ちゃんが周りに聞こえない程度の声で
私を必死に起こす。
普段は授業中に寝たりするような
タイプではないけれど、今日は仕方がなかった。
今日提出の課題を完成させるために、
私の貴重な睡眠時間を削らせた。
結果、眠いです…。
とっても、眠い。
「いくら眠くてもさ、白須先生の授業で
寝るとか、ほんとあり得ない!」
白須先生?
あぁ、大学の生徒から人気のある
イケメン先生…と呼ばれてるらしい。
正直、全くそういうのには、興味が沸かない。
少しずつ、机に伏せていた重い体を
ゆっくり起こす。
寝ていたぶん進まれた教科書のページを、
白須先生絶賛ガン見中の涼の目を盗んで
探す。
ここは美術大学だが、工業科と芸術科で
分かれている。
私は中・高と、ずっと美術部だったから、
美術関係の職業に就きたいと考え、
美大に進学することにした。
そして今現在大学3年になっても何もなく
大学で普通に過ごし、平和に通っている。
おぉ、いかんいかん。授業に集中しよう。
筆を持ち、先生の指示通りにやろうと
するが、今は午後の授業ということもあり
また睡魔がやってくる。
…もう、眠気にイライラしてる
自分に、イライラする。