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言葉で聞かせて

第10章 再来


ゆっくり振り返るとそいつは一瞬その瞳に恐怖を宿したが


「おらっ」


と俺に殴りかかろうとした


遅え
遅えよボケ


俺はそいつの拳を手で受け止めてそいつも殴る


千秋に手あげようとしたの初めてじゃねぇだろ
お前ら

なぁ


「千秋に何したか言えよ!!!!!」


俺は口から泡を吹いてもう動かない目の前のそいつを殴るのをやめてまだ元気に立っている男らに目を向ける


「あぁ……俺お前の顔知ってんなぁ……」


俺が指差したのは確かウチのライバルと言われる店のホスト


「ひっ……やめ、やめろ……こっち来んな……!!」


後ずさる男の後ろにはすぐにソファがあって、それに躓いた男がソファに倒れた

起き上がろうとしたところに駆け込んで飛び乗り、胸ぐらを掴む

そいつは苦しさに顔を歪めた


「お前が主犯か……」
「ち、ちげぇよ!!あいつが!!真菜が!!!いい金ヅルがいるっつったんだよ!!!」


言い訳か?
何れにしてもお前も千秋に手出しだんだろ

くたばれよ


殴って殴ってぐちゃぐちゃになっていく相手の顔を見て俺の顔は何故か笑みの形に歪んでいた


お前を傷つけるものは全部俺がなくしてやるよ
千秋


振り返ると千秋は誰より恐怖に顔を歪めている


昔もこんなことがあったような気がする
もう覚えてねぇけど

それにしても
俺も悠史のこと言えねぇな

大概俺も狂ってる

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