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言葉で聞かせて

第12章 忘れられないこと

敦史目線


千秋の記憶が戻って数日
ある日千秋は俺たちに言った


「落ち着いて、ようやく記憶がなかった時の記憶も戻ってきました」
「へぇ?」
「それは、良かったですね」


照れ臭そうな顔をした千秋はなぜか俯く


「でも、恥ずかしいです。あんなこと……」
「あ?なんだ?あんなこと?」
「?」


俺たちが首を傾げていると千秋はより深く俯いた


なんだ?
そんな恥ずかしがるようなことあったか?

わかんね


俺が千秋の作った飯を食いながらぼんやり考えてると


「あぁ」


と、悠史が何か思い出したように声を発した


「なんだ?」
「千秋さんが恥ずかしがっているのはアレですね」


悠史は俺を無視して千秋に微笑みかける
顔を真っ赤にした千秋は首が折れるんじゃないかってぐらい下を向いて顔を手で隠した


「あ?なんなんだよ。説明しろ」
「何?まだわかんないの?千秋さんがーー」


悠史は千秋が思い出したのは俺と悠史がキスした時のことだ、と説明してくれた


あぁ、あん時のか
千秋の性格なら恥ずかしがっても無理ねぇよな

俺はあんくらいなんてことねぇけど


と、俺は自分の性格で恥ずかしくなってしまうようなことを探す

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