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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて

悠史目線


僕の過去も、敦史の過去も全て曝け出して
なんだかすごくすっきり

泣いちゃったり、なんか情けないところも見せてしまって恥ずかしい思いもしたけどね


「悠史、行くぞ」


リビングで珈琲を飲んでいた僕に敦史が声を掛けてきた


仕事に行く準備が全部終わって待ってたのは僕の方なんだけどな
まったく


「うん」


僕らがそろって玄関に行くと、千秋さんが小さな歩幅でついてくる


ふふ、ご主人様の帰りを待ってる仔犬みたいだ
可愛い


僕が靴を履いている間鞄を持つと言って下さった千秋さんに鞄を預けて靴を履く

靴を履き終えてありがとうございます、と言おうと顔を上げると


「……」


千秋さんと敦史がキスをしていた

以前は触れるだけだったような気がする敦史の所謂行ってらっしゃいのキスはいつの間にやら長く濃厚なものに変わっている


「……ーーじゃ、行ってくるわ」
「はい、いってらっしゃい……」


満足気な敦史と対象的に千秋さんの顔はもう少し、と誘うように火照っている


敦史少しずつ調子に乗ってきてない?
なんかにこにこしちゃってるし

って……僕がただ単にヤキモチ妬いてるだけなのかな

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