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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第6章 ~演習~

翌日

ハンズィ中隊とシンシア中隊の合同演習が行われた

それに付随するかたちでハイブリッド機“クラング<改>”の同期演習も実施する

部隊は模擬ショミレーターシステムを使った紅白戦、“クラング<改>”にはサブリーダー、ヴァイカート軍曹の“フリーゲン”がサポートする


雲に隠れながら部隊は天空を舞っている

母艦“キュールシュランク”から視認は出来ないが、ブリッジの巨大モニターが成績を表示していた


ブリッジにはハンセン艦長とともに未だ戦列に戻れないシンシアの姿もあった

1週間、部隊はサブに一任してある
陣頭指揮をとらなくても腕が鈍るような部隊とは思っていない

格納庫ではメカマンたちが集まって作業モニターの画面を切り替えて模擬戦の様子を見守っていた


今回の模擬戦の目的はリーダー機数機に携帯させた放電砲<ブリッツ>の簡易版、長槍タイプの携帯タイプだ

本体内蔵型よりも出力は落ちるが、本体への安定性はキープできる…ハズだ

先週のシンシア機での試射のトラブルは改善されている


そして“クラング<改>”アップデート後、初の起動実習と部隊全体との同期演習だ


成功すれば、すでに各地域に配備されている量産機“クラング”たちを簡単にバージョンアップできる

うまくいかなければ…

予算との兼ね合いだが新型量産機“フリーゲン”の実機配備となるだろう


ナオトにとってはOSだけでなく高速上位機“ヴァルキューレ”のパワーに耐えるという課題も残されていた


ナオトの機体はヴァイカート軍曹のサポートがあるのだが、逆にヴァイカート機の“フリーゲン”ではその加速についていくことが容易ではなかった

「あのハイブリッド機、こんな動きでよく空中分解もせず…!実戦ででもここまでの加速はしたことがないぞ…、エンジンが焼けてしまいそうだ…ッ!」

後続するヴァイカート機はついていくだけで精一杯だ

「…しかし、あの初等兵、この加速に耐えれているのか…?」

2機の“フリューゲル”は凄まじい爆音で空を駆け巡った…


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