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暗闇で恋しましょう

第2章 唯一の

相も変わらず、優しい様子。


それに浸ればいいものを、こんな時でさえ出てくるのはひぃちゃんで。


ひぃちゃんだったら、無慈悲に避けるか、頭掴まれて“止めろ”と放たれるんだろう。



「はは。相変わらずげん....」



優しい語りかけが不自然に止まるものだから、瞳だけを動かし、水上さんを見る。


見えた水上さんの顔、ぎょっとしていて。


頭に?マークを浮かべ、きょとんとする私を置いて、後ろ手で素早く戸を閉める水上さん。


片手で顔を覆い、はぁと息を吐かれるもんで少し狼狽える。



私、何かしたかな

あの優しい水上さんが呆れること

名前呼んで、飛び付いただけなんだけど.....



.........飛び付いた?



その単語にどこか引っかかる自分。


飛び付いた時、水上さんよろけた。


よろけた、ということは、つまり、飛び付いた勢いがあったとはいえ.....



私、太った......?



可能性は否定出来ない。


それで、体重管理もできないふしだらな女だと思われたのかもしれない。


あんなひぃちゃんの傍に居るから、こうして優しくしてくれる水上さんは貴重な存在なのに....

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