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“そんなの、言ってみなきゃ分かんねぇだろ”


の、“そ”の字も言い返せない俺は、よく分からんけどその言葉に納得している証拠で。


祥人からは長めの溜息が漏れた。



「否定の言葉もなしかよ」

「お前がそう思うんならそうなんだろうよ。違うだのそうだの無駄に言い合うの、目に見えてんだろ？」



根本は全く分かっていないが、まるで何もかもお見通しのように言ってみる。


結果、祥人には“何も分かってないくせに”みたいな目で見られることに。


第一は、祥人が教えてくれないのが原因なんですが。



「………でも、そこまで成長したのに、またなかったことになるのも杏ちゃん可哀想だよなぁ」



なぜ杏が可哀想なのか。