テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第8章 お買い物1

それさえ守っていれば、あとは特に縛られることは無い。



つまり、フリーダム!



ばっと両手を広げた瞬間、私の頭をわしっと掴む手。


そのまま後ろに引かれるものだから、体勢を保てず。



倒れるっ……!



恐怖から目を瞑るも、痛さは来ず。


代わりに得たのは、硬い感触。


そのまま頭を上に上げれば、私を見下ろすひぃちゃんとばっちりめがあった。


あぁ、なるほど。


ひぃちゃんが壁になってくれたのか。


ありがとう、お礼を言おうとするも、ひぃちゃんの目線は私から外れ。


ある一点を見つめ出す。


何かと思い、体勢を整えてからその方向を見れば、母親と手を繋ぐ、女の子を捉えた。


何故、ひぃちゃんはあの子を?


そんな疑問は、ひぃちゃんの小さな呟きにより解消。



「あんなに小さな子でも、大人しく歩いてるってーのに」



それは、つまり?


ひぃちゃんの目には?私はあの子より子供に見える、と?


腑に落ちる訳がない。


文句の1つ2つと思うも、ひぃちゃんは既に先を歩いていて。


急いで追いつき、横に並ぶ。



「はしゃぎ過ぎ。目立つ行動すんなっつーの。あと、転んでフードとれるぞ」



並んだ途端、吐かれる低い声。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ