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暗闇で恋しましょう

第1章 私と貴方の関係性

そちらに顔を向ければ、どうやら出掛ける準備をしているらしく。


とことこと寄り、瞳だけを上に向ける。


そう。これが噂のう・わ・め・づ・か・い。



「.....“いつも”のとこ?」

「.....そ。“いつも”のとこ」



当たり前のようにひぃちゃんは、私の上目遣いには反応せず、私の頭を軽く2回、ぽんぽんと叩いた。


それだけで花を飛ばす私。


服と言い、我ながら単純だ。


そうしている内に、ひぃちゃんは玄関へと向かう。


私も付いて行き、靴を履くひぃちゃんの後ろで待機。



「.....いつも言うけど、見送りとか良いんだぞ?」



靴を履き終えたひぃちゃんが、立って私の方を振り向く。


そうは言うけど、私を見下ろすその瞳には、うんざりしている様子もウザいと思っている節もない。


これは、常套句なのだ。


言わなきゃ、ひぃちゃんはどこか口寂しいのだろう。



「良いの。私はこれを言いたいだけだから」

「?これって?」



ふふんと得意気に鼻を鳴らせば、嫌な予感とひぃちゃんが顔を歪める。



「いってらっしゃい。あ、な、た♡」



まるで新婚さん気分。


ハートまで付けて陽気に話す。

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