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暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3

それさえすれば、万事解決!なんだけど……



『万に一つでも無いとは思うが、俺とはぐれたとき、どうするかをお前に話とくわ』



私の記憶はその言葉で終了している。


“万に一つでも無い”、その言葉を過信し過ぎて真剣に聞いてなかったんだ。


あぁ、なんて愚か。


なんてバカなんだろう。


しかし、万に一つでもなんて言葉使うひぃちゃんもひぃちゃんでは?


万に一つでも起こっちゃってるし。


しかも自分で引き起こしちゃってるし。


やれやれ。ひぃちゃんも自分を過信した1人か。


肩をすくめ、はぁと小さく溜息。



……って、いないひぃちゃんに呆れてる場合じゃないって



思い出せないなら、自分で考えて案を出さなきゃ。


うーんと悩むけど、実は1つ既に思いついている案がある。


それが最善でないことはもちろん知っている。


だから、悩むんだけど。



「わぁあああああ」



突然の大声にびくりと体を揺らす。


考える事を1度止め、そちらを向けば泣く子とあやす親。



「だから、これは今日買ってあげれないの」

「やぁあああああ」



どうやら欲しいものを買って貰えず、駄々を捏ねているらしい。

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