テキストサイズ

第8章 黒い陰



結衣「…」

慶一郎「別にって顔してないよ」

結衣「…ほっといて」

慶一郎「結衣」

結衣「じゃあ言わせてもらうけど昨日の
あれ何?」

慶一郎「あれって」

結衣「私がいるのに慶ちゃん、理香さん
を隣に座らせて楽しそうに話して」

慶一郎「あれは…理香は昔からそういう
奴だから、でも理香は友達だし」

結衣「どうかな…」

慶一郎「結衣、疑ってるの」

結衣「…」


本当は疑っていない
例え理香が慶一郎を好きでも
慶一郎には自分がいるし相手にするわけ
がない

それは自信を持って言える
だけど今は…


慶一郎「結衣、答えてよ」

結衣「…疑ってる」

慶一郎「…俺…信用ないんだ…」

結衣「…」


売り言葉に買い言葉
心にもない言葉を言ってしまった

その言葉が慶一郎をどんなに傷つけるか
知っていたのに
結衣は…


慶一郎「…ごめん…先出るわ…」

結衣「…」


この日
結衣は初めて
慶一郎と喧嘩らしい喧嘩をした


ストーリーメニュー

TOPTOPへ