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第10章 再出発



これでいい、これで…


結衣「…」


最初からわかってた
こうなる事、この関係が終わる事は


結衣「泣かない、泣かないんだから」


涙を拭い家へ帰った結衣
鞄から鍵を取り出し鍵穴に差した瞬間
結衣はすぐ気づいた
その違和感に


結衣「!!」


急いでドアを開け投げるように靴を脱ぎ
駆け足で部屋に上がると
そこには…


慶一郎「あっ、お帰り…」

結衣「慶ちゃん…」


慶一郎の姿があった
何故、こんな時間に家にいるのか
理香の事で言い過ぎたと反省している事
など

聞きたい事や言いたい事
謝りたい事など山ほどあったが
慶一郎の顔を見た途端、安心したのか
体の力が抜け…


結衣「…っうう」

慶一郎「結衣!?結衣、どうした」

結衣「…っ…もうっ…帰って来ないかと
思ったから…」

慶一郎「大丈夫だよ、俺が結衣を捨てて
どっか行くわけないだろう?」

結衣「うんっ…うんっ」


泣き出した結衣を
優しく抱きしめてくれた慶一郎
暖かい温もり、その感触に涙が止まらな
かった


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