
いつか手をつないで歩こう
第17章 愛してる
叔母の表情が、うまく読み取れなかった。
隠していた事って……何を言おうとしているのだろう?
「実は浩ちゃんと美雪ちゃんは…本当の姉弟(きょうだい)ではないのよ」
「「えっ」」
私と浩輔は、思わず顔を見合わせた。
「ど、どういう事なんですか、それはっ!?」
浩輔が驚いて叔母に聞いた。
「あなた達の両親はね。結婚した後、なかなか子どもに恵まれなかったの。でもどうしても子どもが欲しいと、ある施設から生まれたばかりの美雪ちゃんを引き取ったのよ」
そんなの、初めて聞いた……。
浩輔が私の手をぎゅっと握る。
「それはもうすごい可愛がりようだったわ」
叔母が私を優しく見つめた。
「ところが妊娠できないと思っていた二人に、その2年後、男の子が授かったの。
それが浩ちゃんよ」
「それじゃあ、私達…」
とても信じられなくて
涙が止まらなくて
ただただ、嬉しかった……
「もっと早くに言ってあげれば良かったわね。叔母さんが余計な気を回したばっかりに、ごめんなさいね…。
だからあなた達は、結婚だってできるし、赤ちゃんも堂々と産んでいいのよ!」
浩輔は
さっきからずっと
下を向いて
泣いていた……。
