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悪魔的ドクター

第9章 ストーカー


事の発端は
1週間前。


悪夢の始まりは
本当に些細な出来事からだった。





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━━━…




「落としましたよ?」


「えッ、あッ、」



大学校内で
偶然スレ違った男子生徒。



雰囲気は暗く地味。
長く真っ黒な前髪は
大きな黒縁眼鏡に掛かっていて顔が見えない。



そんな彼は急いでいたらしく
足早にあたしの横を通りすぎる。


その時に持っていた資料らしき紙を落とした所を拾い、今に至る。



「ど、どうも…」



小さく呟き
挙動不審にその場を去る彼は
ちょっと不思議な人だった。



「何アレ。大学生でまだあんな地味なヤツいるんだー」


「スゴい酷い言い方してるよ、明里」


「だってアレはないよ、あり得ないって」



あり得ないって…
あたしからしてみれば
明里の見た目も十分あり得ないって。

金髪パンダメイクって…
怖いから。



さっきの彼は
確かに明里とはまったく異なる人種。

タイプじゃないんだろう。






まさかそんな名前も知らない彼に



あんな事されるとは。


微塵も考えてなかったよ






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