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エスキス アムール

第30章 彼の変化






「…波留くん…?」



彼は僕を見つめたままゆっくりと、足を絡めた。

その瞳は完全に僕を誘っている。



触ってくれ。

そう言っている。



だけど……


堕ちるとこまで堕ちてやる。

そうは思ったけど。
これで抱いたら。


どうなる?僕たちの関係は。
この前のセックスで、僕たちの関係はもう既に、セフレ化してしまったのだろうか。

波留くんはそういう風に
捉えて、僕に求めているのだろうか。


それは、さすがにきつい。
僕は彼が好きなのだ。
彼を独占したい。


セフレでもいいよだなんて
健気な答えに辿り着くわけがない。



この間抱いてしまった時点で、
もう、手遅れなのだろうか。

いや、もしかして一回目から…




なかなか答えが出ず、
見つめたまま固まっていると

波留くんはならば、と
僕の首に舌を這わせた。




「ちょ…っ波留くん…っ」



どうしたの?
何かあったの?


慌ててそう聞く僕に首を振ってまた首を攻めると、息の上がってきた僕を妖艶な瞳で見つめながら、




「ねえ。おねがい。」


そう言って、唇に噛み付いた。

最初はあの彼女の代わりでもいいやと、思ってた。

独り占めできるならそれでと。



だけど、一緒に暮らすうちに、それだけじゃ我慢できなくなる。

彼の気持ちが欲しくなるのだ。



もし、あの彼女の代わりに、彼が僕にこんなことをしているのなら、とてもじゃないけど相手はできない。


彼のセフレにはなりたくない。



嫌だった。
苦しいのだ。

だけど、拒否なんて当然できない。
哀しくなりながらも、彼の刺激を全身に受け、感じてしまう。



彼はその様子をみると、

自分は慣らしもしないで僕の上にまたがり、腰を沈めた。











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