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エスキス アムール

第8章 チケット

【大野side】




それは、
俺がはるかちゃんのところに行った
その日の朝のことだった。



「お前さぁ、
いつまで店に通ってんだよ!!」


「だってさ〜」

俺は
親友であるそいつの言葉に
突っ伏した。


彼は怒っている。



だけど、
俺がジゴレットに通っている事を怒っているんじゃない。


俺がジゴレット通い
(正しくははるかちゃん通い)
をしていることを打ち明けた時、

彼は
非難するどころか、
『はやくかっ拐ってそこから連れ出せ』と、言った。



じゃあ
何に怒っているかって?




「だってさ〜、じゃねーよ!

いいか?
いつまでも店に通ってたって、

客と嬢の関係は
変わりゃしねーんだよ!

そんなとこで会わないで
デートの一つにくらい誘えよ!」


「嬢っていうなよ…嬢って…」


「照れてる場合か!
アホ!カス!」

相変わらず
言葉遣いが荒いぜ。



そう。

彼は、
いつまでも
今の関係から抜け出そうとしない俺に
怒りをぶつけているのだ。













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