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Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

階堂さんと会った次の日、私は携帯の番号を新しいものにした。

こうすれば、階堂さんからの連絡は来ない。

いつか、階堂さんの事を忘れる事ができるようになる。

「なあ、美雨。」

夕食を食べている兄さんが、携帯を見ている。

「携帯の番号、変えた?」

「うん。」

「ええ!?教えろよ、そう言うことは。」

「メール送っておいたよ。」

素直に答える私に、兄さんは急にメールを探し出す。

「ああ、あった。これか。」

滑らかに携帯の画面を、指で滑らせていく。

「なあ、美雨。何かあったか?」

兄さんの何気ない質問には、いつもドキッとさせられる。

「何かって?」

「いや、ずっと考え事しているから。」

考え事……

「ううん。何でもないよ。」

「そうか?」

兄さんに言ったって、ただ心配をさせるだけ。

そう。

兄さんが言ったとおり、私はずっと考え事をしている。

ずっと、階堂さんのことばかりを考えている。

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