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Gentle rain

第2章 興味

お昼から降り出した雨は、夜になっても止む気配を見せなかった。

「兄さん、大丈夫かしら。」

仕事に行った兄が、ふと心配になって、私は駐車場が見える大きな窓の前に、両手をついた。

「傘は持って行きましたから、大丈夫じゃないでしょうかね。」

お手伝いさんの小林さんが、キッチンから答えてくれる。

私と兄さんが生まれる前から、この家に通い続けてくれているベテランのお手伝いさんだ。

外からは、ザーっと雨が降る音がする。
時々うるさい時があるけれど、雨は嫌いじゃない。

耳を澄まして聞いていると、時折、ポタッと滴が零れる音がしたり、雨が弱くなってシトシトという音に変わったり。

まるで空から落ちてきたシンフォニーのようだから。

それに最近、家に帰ってくる事が更に遅くなった兄さんを待つのに、一番とっておきの音楽なのかもしれないし。


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