
濃密 恋絵巻
第2章 ~歪んだ想い~
月蔭を布団に寝かせたゆりなは、そのすぐ横で心配そうに寝顔を見つめた。
…突然どうしたんだろ う…
風邪じゃないよね?
でも…なんか苦しそう ……
「…月蔭…」
ゆりなは心配そうに見つめながら、月蔭の頬にそっと触れた。
すると、その感触を確かめるように月蔭の手が添えられた。
「…ゆり…な……」
「月…蔭…」
「…どれくらい…気を失 っていた?」
「あ…そんなに経ってな いと思うとけど…
…具合はどお?」
「さっきよりは良い…」
本人はそう言うが、顔色はまだ悪く額に汗を滲ませていて息苦しそうな呼吸をしていた。
絶対さっきより悪化し てるっ…
…もしかして、わたし に気を使ってる…?
「あの…置き薬はないん ですか?」
「これには…普通の薬で は治らない…
…俺なら…放っておけ ば直に良くなる……」
「でも…」
そう言いかけた時、上半身を起こした月蔭に突然唇を塞がれた。
