濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
薬という液体が、美形を通してゆりなの喉を伝っていった。
「ん……んー……」
う゛ー…苦いっ…すっ っごく苦いっ!!
キスされてる事なんて どうでもよくなるくら い、マズくて死にそう っ…!!
全ての液体をゆりなは飲み干し、やっと美形の唇が離された。
あまりもの不味さに、ゆりなの目からうっすら涙が滲み出ていた。
「何故泣いている?」
「く、薬が…マズ過ぎて っ…」
「味は悪いが、これは即 効性があって良く効く 」
「そっ、そうですか…」
不意に鋭い金色の目がゆりなを捕らえ、その美しい瞳にゆりなの心は一瞬にして奪われてしまった。
綺麗な金色の瞳…
…やっぱり…どこか人 間離れしてるよね……
「…名前は何て言う?」
「あ…坂下…ゆりな…」
「俺は月蔭だ…
……ゆりな……」
低く落ち着いた声で囁かれ、ゆりなの鼓動は早くなり身体が熱くなっていった。
「…月蔭さん…」
「月蔭でいい」
「え…」
「月蔭と呼べ」
「う…うん……つ…月蔭 ……」
ぎこちなく名前を呼ぶゆりなに、月蔭はその頬に手を添え美しい顔を近付けた。
聞こえてしまいそうな程の胸の高鳴りを感じながら、月蔭の唇が優しく重ねられた。
ゆりなの反応を伺うように、優しく舌を絡ませていく…
「んっ…あっ…」
キスって…こんなに気 持ちいいの…?
…もっとして欲しいっ て思っちゃう……
「…もっと…お前に触れ たい…」
えっ…それって……
熱を帯びた色っぽい眼差しで見つめられ、ゆりなの心は鷲掴みされてしまった。
そして、月蔭は返事を待たず首筋に顔を埋め舌を器用に這わせた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える