デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
「なんで……おれがこんな目に……」
うわごとのように呟く有理。
「おれは、てんさい、だったのに。ようすけ と、れいじがいなければ……こんなに、じんせいが くるうこともなかった」
虚(うつ)ろな瞳で玲二を見つめる。
「しょせん世の中は才能が全てなんだ。生まれた時から勝負は決まってる。勝ち組と負け組に別れてる」
虚ろだった瞳に、憎悪の炎が宿った。
「玲二っ!!!!」
「ヒッ!」
大きな怒鳴り声に、玲二がビクつく。
「お前らは良いよなあ!! 最初から才能があって勝ち組で、生まれつきの天才で!!」
左腕と右手から血を流しながら激昂する有理が、今の玲二には化け物のように見えた。
「……お前は、生まれ持った才能で全てが決まると本気で信じているのか?」
今まで黙っていた黒斗が、不意に口を開いた。
「そうだ! だから、俺以上に才能がある2人を潰さなければ、俺が1番になれないんだ!!」
血走った目をした有理が叫ぶ。
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