
センシティブ♥ボーイ
第21章 好きだってば
「なんだよ、なんでもっと涙出てんだよ」
「……だって…ぇ…だって…うそ…」
「嘘じゃねえよ。もう友達なんて言うなよ。俺ら、つ、つきあってんだから…」
「つ…っ!!」
頬を手で覆ったまま、互の息がかかるくらいの距離で言うと、佐藤の顔がぶわーっと赤くなった。
「こ……っこ…っこ…こ」
………こ…?
何言ってんのかよくわかんないけど、とりあえず佐藤が可愛い。
泣き腫らした瞼に唇を落として、ぎゅうっと抱きしめた。
「すずきくん……」
「ん?」
「く、るしい……」
仕方ないだろ。
やっと、付き合えたんだから。
何回お前に落とされてると思ってるんだ。
お前で俺の心はズタズタだったんだぞ。
「我慢しろ」
「ん……すずきく…」
「だから、我慢しろよ」
「ち、がくて……」
もぞもぞと俺の腕の中で動く。
佐藤は自分の腕を出すと、俺の背中に手を回した。
「真由美さん……おこらない…?」
「だから、言ったろ。付き合ってねーから」
「僕たち……こ、こ……こ…こいびと…?」
少しだけ顔を離して佐藤を見ると、耳が真っ赤だった。
可愛いな。
そこに舌を這わせて、抱きしめる腕にさらに力を込めた。
「俺たちは、恋人だよ」
