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センシティブ♥ボーイ

第27章 一人しかいない









「な、なに………?」



叩かれたところ抑えて、鈴木くんを見上げる。

鈴木くんはぶーっとしながら僕を見据えた。



「まだ、言われてねーんだけど。」

「な、にを…っ?」

「嫌いって。あれ、相当傷ついてんだけどってさっき言ったよな」

「あ……」



もうそこはすっかり解決してるものだと思って、どこかに置いてきていた。


「あ、じゃねーよ。俺のこと…嫌い…なの」

「………」



少しだけいじけたように聞く鈴木くんを見て、謝るよりも先に可愛いなって思ってしまった。


嫌い、だなんて、そんなことあるわけない
もう死んでも嫌いだなんて言わないよ。


「嫌いじゃない……っすき…っ僕……鈴木くんに嫌われても……ずっと…ずーっと好き…っ」

「……佐藤……」

「……んっ」



ちゅっと音を立てたキスをすると、鈴木くんはまたきゅーっと僕を抱きしめる。



「俺も……俺もお前が…佐藤が好きだよ…」


耳元で少し掠れた鈴木くんの甘い声が響いて。


僕たち二人の周りには甘い甘い空気が漂っていた。
クラクラするほど甘い雰囲気。


世界中の人に自慢したい。
僕は鈴木くんの恋人なんだって。




「幸せ…だな…」


ああ、このまま世界が終わってもいいな……
鈴木くんがいてくれるなら…何もいらない…


なんてロマンチックなことを考えたとき




『ピーーっそこのキミ!何やってるの!!離しなさい!!』



「「へ……っ?!」」



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