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センシティブ♥ボーイ

第29章 少し勉強は置いといて。

【崇史side】






「そろそろ…寝るか」

「うん…っ」



夏休みまであと少し。
予備校がなかったので鈴木くんを勇気を出して誘ってみると、鈴木くんは家に呼んでくれた。

僕があんな風にいじけてしまってから、鈴木くんは真由美さんに勉強を教えてもらうのをやめてしまった。


何もないと分かった今、とっても申し訳ない気持ちでいっぱいで。


僕に気を遣わないでって言ったけど、ばーかって僕の頭をくしゃくしゃっとしてかっこいい笑顔で笑っただけだった。


僕って…本当に最低だ…



今は鶴橋くんと坂本先生に教えてもらってるみたい。



一緒に今日一日勉強したけど、基礎はもうばっちりだし、8月の模試もそんなに心配はいらないと思う。


今日は休憩を挟みつつ、ずーっと勉強をして。
お風呂に入ってご飯を食べて勉強して。


少しだけ甘いひと時を期待していなかったわけでもないんだけど、ただひたすら、向かい合って勉強をしていただけだった。


僕はそれだけでも十分幸せだけど…

一回も触ってこないなんて、喧嘩したわけでもないのに珍しいなって思う。



もう寝るっていうし……


少しだけ…ぎゅってしてくれないかなあ……
まだ…寝るの…はやいしなあ…


そうしたら僕…ぐっすり眠れるのになあ…



鈴木くんが部屋の隅でごそごそ何かをしている姿を見ながら、ぼんやりと考えた。



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