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センシティブ♥ボーイ

第36章 偏差値より人間力







ずーっと寝たふりをして。
暫くすると、佐藤の携帯が音を鳴らした。


寝てしまったかと思っていた佐藤はむくりと起き上がって携帯をとる。

佐藤の母さんかな?



「もしもし…あ!圭ちゃん?」



圭ちゃんかい!!
携帯を取り上げてやろうかとも思ったけど、
もしかしたら、本当の答えが聞けるかもしれないと思いそのまま寝たふりを続けた。



「うん…うん、はいたよ。…み、みせたよ…?」

「最初ちょっと後悔したんだけど…すずきくん引かずに興奮してくれた!」

「それでね、圭ちゃんの言った通り可愛いっていってくれたっ!」

「ねぇねぇ、圭ちゃん…すずきくん…僕のこと、好きになってくれたかな…?」


めちゃくちゃ嬉しそうな声が聞こえてくる。


なんだよ。
バカ野郎。

圭ちゃんと話しているのは俺の話ばかりじゃねーか。

なんか…圭ちゃんに嫉妬した俺がバカらしい。
相手は従兄弟なのに。
そんなに俺に好きだとか可愛いだとか言ってほしかったわけ?


そんなん、いくらでも――――


身体を起こして、佐藤をうしろから抱き寄せる。



「めちゃくちゃ可愛かったよ。
佐藤のこと、もっと好きになった…。」

「―――ッッ!!」


耳元で囁くと、佐藤はそのまま硬直し携帯を床に落とした。
向こうでたかちゃん?と呼ぶ声がする。
その電話を切ると、顔面を真っ赤にして硬直している佐藤をこちらに向かせ、柔らかく口づけをした。


その日は興奮覚めやらず。
何開戦も繰返し、音で気がついた坂本にお咎めをくらったのは言うまでもない。






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