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初カノはエロうさ

第3章 変態彼女にお仕置きを

「キスすら疎かだった翼がねぇ?随分変わったのね、”つーくん” 」

……キス?疎か……?そういえば、セフレとはキスってしなかったな。なのに、

「……そういえば、うさこ以外にキスしたいとか思ったことなかったな。ていうか、うさこ以外に ”つーくん” とか呼ばれたくない」

「へぇ〜!」

深雪の言葉に思わず言い返した自分に、戸惑い、瞳を泳がせる。

あー、くそ!絶対、顔、真っ赤だ!

そんな俺の様子に、深雪は腹を抱えて爆笑した。……ムカつく。

「……うるさい。うさこが起きる」

大笑いするその口を手で塞げば、深雪はムグムグと苦しそうにしながら俺の手を引き剥がす。

「ごめんごめん。そっかー、翼はうさちゃんに本気なんだ」

「……よく、わからない」


うさこの望むことをして満たしてやりたいと思う。

だけど、それが ”本気” というものなのか……よくわからない。


「キスって、愛しい気持ちが込み上げてくるとしたくなるの!それって愛だよ?好きってこと!」


キスが止まらなくなるあの瞬間に、込み上げてくるあの熱いものが……─────愛?

それが、好きという気持ち……?

だけど、まともな恋愛してない深雪の言うことはイマイチ信憑性に欠ける。

思わず苦笑いを返せば、

「キスマークなんて独占欲に他ならないでしょ!」

うさこの身体を指差し、深雪は声を荒げた。


横たわる小さな身体。

透き通るような白い肌のあちこちに咲き誇る紅い花びら。

なんで、唇を寄せた?

(……可愛いと思ったから)

なんで、無数に付けた?

(……俺のものだと……そう知らしめたかった)

ああ、そうか。”独占欲” だ。

「……だな」

その数の多さに、自分自身に引きながら頷けば、深雪はやっと認めたぁとケラケラと笑い出す。


─────ホント、笑えるな。


俺を追い掛け回す彼女を、いつの間にか俺の方が探していた。追い掛けて欲しいと、その居場所を教えてまで求めていた。

俺を撮り続ける彼女に、その奥に宿る情欲に、俺を求めて欲しいと願っていた。汚す勇気もなくて、逸らした俺を受け止めてくれた彼女に、俺自身を受け止めて欲しいと願っていた。

いつの間にか、俺の方がうさこに夢中になっていたんだ。

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