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えっちマンション契約

第2章 301号室

「川崎さん……川崎さん……」

(誰だろ……優しい声、髪を撫でてくれるの、気持ちいい……)


柚香がゆっくり目を開けると、朝日に金髪が光る。


「きゃあっ、どうして管理人さんがいるんですかっ、勝手に入ってこないでください」
「おはようございます、川崎さん、寝顔かわいらしかったですよ」


昨日を思い出して布団で体を隠す。


「そんなに警戒しなくても今日はしませんよ、今日はね♪それとも、してほしかった、ですか?」
「そんなわけないっ」
「クス、川崎さん、体は大丈夫ですか」
「大丈夫じゃ、ないっ」
「あんなに気持ちよさそうにしてたのに」


和哉のシャツから胸元が見える。
男の体を見て、思わず昨日を思い出す。


「顔が赤いですよ、残念ながら期待には応えられませんが、朝食ができたので、談話室に降りてきてくださいね」
「朝食……、そんなサービスまで。マンションていうより、寮みたい」


今日は高校の入学式もある。
急いで着替えて談話室に行こうとドアを開ける。


ガチャ


「あ……」


隣の住人も偶然部屋から出てくる。


「あんたが新しく入った女か」

(怖い……)

鋭い眼つき。
黒い髪はワックスでセットされ、ゴールドのアクセサリーが首や手首に見える。
細身の和哉と違うしっかりとした体つき。
筋肉もついていて、背も高い。


「はい、あの、川崎柚香です、よろしくお願いします。えっと、挨拶を……」

柚香が挨拶用に買った品を取りに戻ろうとすると、隣人が引き止める。

「あー、俺、そういう改まったの好きじゃねえから、それに、そんなビビるなよ。取って食ったりしねえから」
「はい、でも……」
「和哉のヤツ、もう食っちまったのかよ」
「……は、い」

男は照れたような顔をして、柚香の身体を見つめる。

「こんなに小さい身体を……」
「……」
「あー、俺はガキには興味ねえから安心しなっ、中学生か?」
「高校1年です」
「俺は301、柳本竜司」
「やなもとさん……」
「竜司でいい、さ、腹減っただろ、飯行くぞ」
「竜司さん、はいっ」


(この人は見た目怖いけどいい人なのかも……)

竜司の後をついて談話室に行く。
何人かの住人にジロジロ見られたが、竜司が庇うように立ってくれる。

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