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箱……肆

第1章 動く箱


「――――…あの…今は何時ですか?」




私は、腕時計すらしていない事に気がつく…



財布も…携帯も――――…


何も…手元にない――――…





「―――…18:00過ぎ…ですかね」




「18:00?主人が帰ってくる時間です…


あの…どなたか存じませんが…


降ろして頂けませんか?」






私は、得体のしれぬ男性をなるべく怒らせないよう…


丁寧に…お願いをした―――…








「――――…すみません…降ろす事は出来ません――」








私は、男性の―――――…

冷めた口調に…恐怖を感じた…



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