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少女グレイスと森の魔女

第6章 暗雲

36『宵の口』


《こんばんはー》


「はいはい」

母がドアを開けるとクレアの父がいた。


「あ…クレアのお父様。どうも、こんばんは」


「こんな時間にすみません」


「いいえ
どうかされましたか?」


「私の娘がこちらにお邪魔してはいないかと…」


「いいえ、今日は来てませんけど?」



グレイスはクレアと約束していたことを思い出す。

クレア?
が、どうかしたの?



「そうですか…」

クレアの父は目を閉じて深く溜め息をついた。



「まさか、まだ帰ってきてないんですか?」

そう言うと母はグレイスを呼んだ。





クレアの父はグレイスにすがるように訊ねる。

「グレイス、クレアが帰って来ないんだ。どこに行ったか知らないかい?」


「ええ!?

クレアとは夕方ぐらいに会いました。
会って少し話して…
また後で会う約束をして帰っていきましたけど…
それきりです」

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