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ひざカックン

第10章 キヅナ


そりゃあ、もちろん、年相応にはなっていたが、彼女に間違いなかった。

あの頃のニオイのままだった。

「なにシケた顔してるのよ…あれ、ひょっとしたら人違い?」

彼女は笑っている。

僕も笑っていた。

あれから20年、変わっていたのは、僕らの薬指にそれぞれ指輪がしてあることくらいだった。

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