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山岸君と照井君

第10章 意識して―――……。

【照井side】





「――――――――え…」



最寄りの駅から…徒歩30分〜40分…



閑静な住宅街の…奥の…奥…



個々の住宅間がゆったりしていて…



密集感ゼロ…




手入れの行き届いた木々や塀が目立つ―――――…



俗に言う…“豪邸”が立ち並ぶ一角に――――――…




山岸の家はあった――――…






「マジか――――…デカイ…」




「そうか?照井君の家だって……似たようなものだろ?


照井建設―――…代表取締役の息子なんだから」




あ―――――…まぁ…俺の家も、それなりに金はある家だけど……



ここまでじゃね〜よ…




「一応…そ〜言うの調べるんだな…」




なんか……チクンとした…


家柄で付き合う……


ここの住宅の人々は…それが当たり前か――――…





「一応…ね……

付き合う人間は……それなりのってのが……両親の教え――――――――…だから」




そう言って――――――…


山岸は、俯いた…






自宅を目の前にして……



ちっとも嬉しそうじゃない…




「―――…で、俺は…合格か?


山岸の側に……いてもいいか?」




悔しいが――――――…



惚れた奴の隣にいたいから…



肩書きや家柄……使えるもんは全部つかってやる――――――…





「―――…あの人が…何も言ってこないって事は…


合格なのかな?」





「――――あの人…?」




山岸は、更に俯く…






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