
山岸君と照井君
第12章 別世界―――……。
―――――――――……
「よしっと!!
苑君!今日は、ここまで――…
苦手な場所がなくなっているから、次のテストは期待できそうだ!!」
僕は、麟太郎さんの課題を終わらせ…ふ〜っと一息ついた…
時計を見ると…
夜の8時を過ぎていた―――…
集中していた――…
勉強は…余計なことを考えたくなくいい――――…
だから…好きだ……
「苑君――――…
お兄様達と同じ大学…同じ医学部を目指しているなら…
この状態をキープするか…伸ばしていかないと―――…」
「はい。精進します…」
麟太郎さんの教えかたは…歴代の家庭教師の中でも一番僕にあっていた…
だから…苦手な部分を無くすことができた―――――…
「次のテストは、いい点を期待していてください!!」
「じゃぁ…全教科95点以上だったら…私とデートでもしようか!」
麟太郎さんは、僕の手をギュッと握りしめニコッと笑った…
「デート――――…?
あ、買い物ですか!いいですよ」
買い物に…付き合えばいいのか?
麟太郎さんも変な言い方をする…
「違うよ…デートは、デート…
恋人同士がするような…デート」
「――――…?ん?
恋人…同士?いや?僕達…恋人じゃないですよ?」
