
山岸君と照井君
第18章 正直な体―――……。
「す…杉浦…君―――…」
「何?」
はぅ!!相変わらず覇気のない返事をする奴だ!!
まったく!!
「…さっきの…授業の…ノートを見せて……もらえないか?」
く…屈辱だ!!
学年トップの僕が!!
杉浦君に…ノートを借りるなんて…
「―――…あ〜…いいよ」
しかも!!案外、アッサリ!
「た…助かる!!
後日、お礼でも!!
貸し借りは良くないからな!!」
借りを作りたくない!が、本音だが…
「ノートぐらいで別にいいよ」
「“ノートぐらい”とは、何だ!」
僕は、受け取り杉浦君にノートの大事さを熱弁した!!
すると、面倒くさそうに…杉浦君は…帰りの支度を始めた!!
「はいはい!ノート貸すから次の授業に間に合う様に返してくれればいいから…」
と、席をたつ…
「え?!…1日借りていいのか?
す…すまない―――――!」
何かお礼を!と、言う僕の問いかけに…
“照井から…いろいろ聞くから、それでチャラ”っと、教室を出ていった―――…
「はぁ?何で、宏樹?」
僕は、杉浦君の意味不明な言葉にたじろぐ…
が、考えても解らないものは、解らない!!
とりあえず!!今日は、このノートを頼りに…教科書と照らし合わせ!!復習!せねば!!
