
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
米屋が、慌ててタオルを俺に渡すが!!
気が合わないのか…タイミングが悪いのか…
俺は、そのタオルを受け損なう!!
みっともなく…俺の口から溢れるビール…
苦い液体が…首を流れるのが解る――――――…
米屋はそんなの俺の背中を擦りながら…
「――――…貴方って人は―――…」
と………微笑み…柔らかい視線を俺に送る――――…
そして―――――――…
唇を――――――…
重ねてきた―――――――…
噎せて苦しい状態…
口の…ネギの…香り―――…
重なる…米屋の…
薄い…唇―――――――…
息を吸おうと…奮闘する俺を包む……
米屋の……甘い…香り―――…
ビックリ…と…
―――――――…久しぶりの
人の温もりに…
力が抜ける――――――…
重なるだけの唇が…
俺の脱力が進むにつれ…
深く……
絡み合う口づけとなって行く―――――――…
「んっ…くぁ…はぁ…岳心…さん」
米屋の…甘い香りが…
口の中に広がる…
俺は…手に持っていた
ビールが溢れているのすら…
解らないくらい――――…
テンパッていたに…
違いない――――――…
【つづく……】
