
山岸君と照井君
第32章 好敵手―――……
―――…夏休みのある日…
図書館に向かう俺の前に…
見覚えのある車が停まった…
運転席の人物が…俺に話しかける!!
「よっ…少年…クソ暑いのに…歩いて何処にいくんだい?」
「――――…岳心さん…」
岳心さんは、おじいちゃんの件に紛れて…総合病院を辞め―――…
総合病院とは真逆の位置に眼科を開業したらしい――――…
「―――…何で…我が家の近くで開業したんすか…
週3ペースでこの車を見かけますよ…」
はいはいっと…耳に小指をツッコミながら…聞き流すその姿にイラッとしたが……
猛暑の立ち話に…しんどいのは俺だけで…
「じゃ、図書館行くんで」っと…歩き出した…
「暑いし、図書館まで送るよ?
汗だくで行ったら…異臭騒ぎで…追い出される可能性たかいだろうし?」
ムッ…相変わらず…
「ありがとうございます……つ〜か…一言多いっすよ…」
俺は、後部座席のドアを開けた――――――…
