
山岸君と照井君
第34章 結婚式―――……
―――――――――…
「懐かしい事を思い出しました…
岳心さんは……自分から私にくれたキスを覚えていますか?」
俺は、白衣をロッカーにしまい…
彼を見つめる――――…
「///忘れた―――――…」
嘘つき……
耳が真っ赤――――――…
俺達の関係は……
あれから続いているが…
誰も…“狂愛”で…繋がる間柄とは…
気がついていない……
お互いを…“狂”で縛り合う…仲…
「結婚式……か…」
「私たちも挙げますか?式?」
「…俺が欲しいのは…そんな形ではない事を…
米屋が…よく知っているだろ?」
「―――――…えぇ…」
彼の…小柄な後ろ姿は…
俺には…まだ…大きくて…眩しい…
怖いくらいの愛を彼に注いでも…
彼は「もっと…」…って…欲深く欲しがる…
誰にも認められなくてもいい…
この関係が…長く続くなら…
「――――…その日…そこのホテルで部屋を取って待ってますから…
早く…迎えにきてください…」
忠犬米屋は……
今日も貴方を待っています…
